昨日は台風で大雨。裏庭ハーブ園に植える予定の苗たちはガレージに退避!
そして夜が明け、当然のごとく台風一過で晴天なり!さあ、苗植えるぞ!!、、
あんた、ちょっと待ちな! 雨で濡れた畑に苗植えちゃいけないよ。
と、お師匠(⇦おばあちゃん。なんでも知ってるから、師匠と呼ぶことにした)から指摘を受ける。
ということで、今日は。。
濡れた畑に苗を植えちゃいけない理由を調べて見たのので、備忘録として記録する。
その理由を、土壌学的に考えて見たいと思う。
団粒構造とは?
植えていい?悪い?を考える前に、野菜の栽培に向いている土壌について考えてみよう。
そもそも、野菜の苗は、水捌けが良い(透水性が高い)けれど、保水性が高い環境を好む。
ここで、、、???と思うよね。
透水性が高い・・・・雨が降っても水がスルッと、抜けていく。
保水性が高い・・・・雨が降ったら水分を一定期間、保持する。
真逆じゃん。。。
これを実現するのが、土壌学用語でいう、、「団粒構造」という構造だ。
透水性の高い土をイメージして欲しい。土の微粒子の間に十分な隙間が存在し、そこを水がするすると通り抜けていく感じ。粒子のイメージとしては、ちょっと大きめの粒子主体って感じだよね。
こうなると、保水性は逆に低くなる(図1)。
一方、透水性の低い土は、その逆で、土の微粒子の間に十分な隙間がなく、水が通り抜けられない感じをイメージできる。そう、粘土側に振れた粒子直径だよね。
水が通り抜けられないんだから、保水性は逆に高い(図2)。
じゃあ、荒い粒子から細かい粒子の土性を持った成分が、うまいこと混ざっていればいいか?というとそれだけではダメ。
この色々な粒子の鉱物成分と、腐食(動植物の成分を菌が分解した成分)が混じり合い、小さんな「団粒」を形成し、大小さまざまだ団粒が集まった団粒構造という高次元の構造を作ることが必要だ。
この図を見て分かる通り、個々の団粒は粘土から砂状の土性を持った様々な鉱物と、腐食から構成されているため、大きな塊を作ることなく、適当な大きさの塊になる。ここがミソ。
そして、ある程度の水分や栄養分(粘土の性質を持つ鉱物が、栄養分を吸着することは、また別の記事にまとめる)を蓄えることができる。
そしてもう一つのポイントは、この団粒間に適当な隙間が空いているということだ。余分な水分は、この隙間から下に流れていくし(水はけが良い!)、植物の根も、この間に入りやすいということが、容易にイメージできるだろう。
そうだ、この団粒構造こそが、「透水性が高く、保水性が高い」という二つの異なった性質を同時に兼ね備えさえる、必殺技なのだ。。ビバ土壌学、、俺は今猛烈に感動している。。
さて、話を戻そう。
苗を植えていいかどうかって話だったよね。。団粒構造で興奮してちゃいかん。。。
(こうやって、話の本筋からどんどん離れていって、別なところで盛り上がって帰ってこないやつって、、よくいるよね。はい、私です。)
濡れた畑に、苗植えていいの?
ポイントは、上で述べた団粒構造が維持できるかどうかってことだ。
(多分ね、素人だから嘘つく可能性は高いです)
雨に濡れた畑では、この団粒構造がくっつきやすい状態?になっている(とおもう)。
したがって、畑で畝を作る、穴をほる、苗を植える、ぺたぺたやる、、、的な作業、つまり土を余計に練ってしまう作業により、団粒間の間隙が潰れてしまうのだ(多分。)
こうなってくると、根を張り難くなる。
また、植物の根というのは、呼吸もしている。つまり、団粒間の隙間がなくなることにより、根が窒息して死んでしまうんだ。
だから、雨が降っている、あるいは雨上がりでも、畑が過度の水分を含んでおり、畑作業により余計に土を練ってしまい、団粒が潰れてしまうような条件下で、苗を植えてはならない。ってことなんだね。
そう、これがお師匠の言うところの、、、
あんた、ちょっと待ちな! 雨で濡れた畑に苗植えちゃいけないよ。
ってことなんだ。。深い、深いっすよ師匠!
この一言に、土壌学のエッセンスがこんなにも詰まっているなんて。。
お師匠様!今日も師匠の言葉から、多くの学びがありました。ありがとうございます。
さて、、日陰ハーブ畑の状態は??
さてさて、では、我らが日陰ハーブ園の畑の土は??どんな状態なんだ?
まず、感動したのは。。団粒が見えるということ。まあ、これは団粒という存在を知ったからであって、そこに団粒君はずっといたのだけれど。
自分から興味を持って何かを調べるということは本当に楽しい。学ぶことによって、今まで見えなかったものが見えてくるんだからね。
で、触った感じは、団粒が結構できていて、、そこそこ透水性はいい状態かなと思ったけれど、、結構水を含んでる感じ。。
でとりあえず、ぎゅって握ってみると、、、
やはり、少し水分が多いなと感じる。。
まあ、ふんわり作業ができれば団粒を潰さずにいけるかな。。とも思ったけれど、
最終的には、この状態で土をこねるような真似はしないほうがいいなと、、思った。
というわけで、本日の苗の植え付け作業は断念。
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